ゆとり教育といえば、授業数を減らし、生徒にゆとりを持たせるという意味で使われていました。しかし実際は、行事を減らし、一日の授業は増え、生徒も教師も、とにかく忙しい。何かゆとりだったのかよくわからない。

今度は「脱ゆとり」を掲げ、さらに授業を増やす方向。つまり、授業に「ゆとり」を、という方向。なるほど、確かに「ゆとり」。学校は、必修科目の授業を確保するために、さらに行事を減らし、簡略化していく。より生徒の心にゆとりが消えていく。

数年前、消費拡大をするために公務員の給料を増やしたことがありました。しかし、国民の何パーセントもいない公務員の給料を増やしても、目に見える効果はありません。

そして、今は公務員の給料はカット。教師ももちろん減らされています。給料が低ければ、良い人材は集まりません。バブル期の公務員と民間との差が顕著です。

さらに、給料が減ったことで、いつの間にか、「仕事の潤滑油」といわれる飲み会も、ないに等しくなりました。教師もチームワークの仕事。授業のない空き時間もそうですが、飲み会などの交流が教師間の信頼につながり、チームワークの強化につながります。生徒に対する『楽しい企画』というのは、教師自身が楽しい気分でないと生まれてきません。それが飲み会の時だったりすることもあるわけです。

その「仕事の潤滑油」がない今、教師間が疎遠になっています。悪循環に陥っているかもしれません。『楽しい企画』が減ってきて、正統派の真面目な企画ばかりが並んでくるようになります。正統派なので文句もないですが、面白みや工夫に欠けている場合もあります。

もちろん、このご時世なので、給料を増やせとは簡単にはいえません。給料カットはやむを得ない時期です。リーズナブルに「仕事の潤滑油」となるものを考えないといけないのでしょう。

いじめの原因はいじめられる側にあると思っている生徒(あるいは大人)は少なからずいます。実際、いじめられる人といじめられない人がいるのですから、何か原因があることが多いと思います。

しかし、そんなことを追求しても解決にならないことが多いです。

ケガをして松葉杖をついている人に、「あ、松葉杖だ。やーい」とバカにするのか、「カバンを持ってあげようか」と手を差し伸べるのかの違いに似ていると思います。

勉強ができない、運動ができない、ねたまれる材料を持っている...。いろいろあることでしょう。でも、そういう人にどういう接し方ができるかが問題。

ただし、いじめられる側の親が絡むと途端に難しくなります。解決を遠ざけるように子どもをかばうのです。過剰攻撃もあります。

いじめている側の親と話をすればいいのに、何が何でも学校を挟もうとします。そして、学校を敵にして、学校を攻撃します。学校は解決したいのは当然なのに、大人の話にならない。

いじめ、いじめと連呼しても、実はいじめじゃなかったり。「いじめている意識もなくいじめている」と叫ぶ。

いじめているとされる側に接触をしないように指導すれば、逆に無視されるようになったと、今度は集団いじめ疑惑。関わったら面倒なことになりそうだと周りも感じたら、そりゃぁ距離を置くでしょう。

しかし、難しいのは、いじめがおこなわれているのか、勘違いなのかの境目。四六時中生徒を見ているのではないので、判断が難しい。いじめなら徹底的につぶしたいのは、いじめられている親と気持ちは同じだと思います。

「公立高生の退学率低下 カウンセラー増や少人数制が要因か」:イザ! 神奈川県内の全日制公立高校生徒の退学率が平成19年度から3年連続で低下したことが、県教育委員会の調査で分かった。定時制でも昨年から今年にかけて低下しており、県教委は「スクールカウンセラーの配置数増と、小人数制や習熟度別授業の導入が要因ではないか」とみている。
景気が悪く、公立指向。高卒でも大卒でも就職が厳しい時代。高校を辞めたら本当に仕事はない状態。以前は、高校を辞めてもどうにかなるという感覚があったのかもしれません。

受検時にやや余裕のある高校を受検する傾向も関係しているかもしれません。絶対評価になり、猛烈に勉強して少しでも良い高校に入ろうという競争心もなく、そのときの成績で入れる高校を高い意欲もなく受検。高校に期待することもなければ、入学後にがっかりすることもなし。退学をしようとしう意欲もなし。

意外と経済的な理由がないのが興味深い。

最近、過剰に叱りつけている母親を見かけます。こどもはあっけらかんとしている様子。ただただその母親のキンキンした声がうるさいだけ。

なぜ子どもを叱りつけているのか。周りから「うちはきちんとしつけている」とアピールしたいからではないかと思うのです。今の母親たちの若い時代は、放任が問題になって、スーパーでもうるさい子どもを注意しないことが話題になりました。その反動に見えるのです。

どのようにしつければいいのかという手段がわからないため、やがて虐待につながりかねない状態。公共の場で言うことを聞かない子どもがいれば、母親のプライドが傷つくでしょうから。

時論公論という番組で、「児童虐待防止は」というタイトルでNHK解説委員が語っていたのですが、「24時間玄関の前に立っていたら、何か異常に気付いたはず」と児童虐待防止の基本のように言っていました。

一つのケースにまる一日関わっていたら、他のケースに割く時間が減ってしまいます。職員は何人かいるとは思いますが、それぞれたくさんのケースを抱えているはずです。

児童生徒に命に関わる事件が起きると、まず学校が標的に遭うのですが、教師も授業の準備だけでなく、たくさんの書類作成があります。この書類も過去のさまざまな事件などから、新に加えられたものがほとんど。行政にとっての実態把握のために時間を割かれ、児童や生徒と接する時間が減るという悪循環が起きています。

税金の無駄だと給料を減らされ、職員を減らされ、仕事は増える一方。でも世間からは暇だと思われています。暇だと思われている児相職員もかわいそうですね。

「この子はやればできるんです」という言葉を時々聞きます。「小さいころは○○ができて、天才少年・天才少女みたいだったのに...」と。でも、そういう子は、ごく普通の中学生になっています。残念ながら。

中学校に入学し、良い高校に入れようと親は一生懸命になるようですが、なかなか成績というのは上がることはありません。そんな簡単なものではないからです。3年生になって、そろそろ受験期だから、塾や家庭教師のお世話になった方がいいかと聞かれることもあるのですが、残念ながら成績は上がることはありません。親の気休めにしかすぎないのです。

しかし、成績を急激に上げた生徒もまれにいます。とても興味があったので、親に秘訣を聞いてみるのですが、たいてい塾をやめさせて、居間で親の前で勉強させると言います。本人のやる気に期待しても無理ですが、親の前で勉強することで、親に認めてもらうことにもなっているのでしょう。

時々、生徒からの相談で、「勉強しているのに、勉強しなさいと言われる」というのがあります。親が勉強している姿を見ていないので、そうなるわけです。親はわかってくれない、張り合いがなくなるわけです。ただし、この不況で、親が帰宅する時間も遅く、親の目の前で勉強するのも難しい状況の家庭もあります。

「この子はやればできるんです」というのは、その通りです。どのようにやらせるかが問題です。家庭の環境を整えるといっても、受験生に気を遣うような家庭ではいけません。そっとしておくのがいいわけではありません。親の目の届くところで勉強をするということが、どれほど効果があるか。「朝食を食べれば、頭が良くなる」という結果論の履き違いではなく、親が子どもに気をかけることが、朝食を食べさせることであり、成績が上がることにつながるのではないでしょうか。

気分で人を殺しました 影響されやすく感情で判断
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/343357/

「小1問題」先生の2割が経験 都教育庁調査
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/education/343200/

「誰でもいいから殺したい気分です」「私のすべてを否定されている気分です」というのは極端かもしれませんが、「○○な気分」で行動する生徒は少なくないと感じていました。冷静になれば結果がわかりそうなものでも、そのときの気分で問題行動をしてしまう。

同じ日の記事で、小1プロブレムがありました。これも「気分」で行動しているわけで、「これをやったらいけない」という感覚が欠如している。

原因はわかりませんが、親がすでにそうだからというのもあるでしょう。核家族という言葉が死語になりつつあるくらい当たり前の状況ですが、家の中では自由に過ごしているわけです。制限が少ない生活の中で、空腹なれば食べるものが与えられ、制限なくゲームで遊び、我慢する機会は親も子どももないのでしょう。

気分で行動できるほど、豊かになった結果なのでしょう。

「【日本の議論】「理数離れ」はどうなった?」:イザ!

国際科学オリンピック(科学五輪)が今年7~8月に行われ、日本の高校生が獲得した金メダル数は過去最多を記録した。

「理数離れ」「ゆとり教育」というキーワードを使いながら、検証しようとしていますが、からくりは、参加者の急増によるというオチがついていました。

「科学五輪で日本メダルラッシュ なぜだ?」:イザ!

文科省が教育委員会に参加を呼びかけたほか、各種目の実施団体が大学にAO(学力試験の代わりに書類審査、面接、小論文などで選抜する)入試などで参加実績を評価するよう働きかけた成果だという。

【コラム】 中学受験の過熱化その原因は...父親? - Ameba News [アメーバニュース]

ここ十数年、中学受験者数が増加しているにもかかわらず、通塾率は下がっている

トップ層の中学受験者数は徐々に拡大する一方、ミドル層の教育熱はさほど高まりを見せないのが現状

自身が中学受験経験者という父親が増えた昨今、その後の人生に対して肯定感が強い父親ほど、子どもの中学受験に積極的になる傾向

世間では大学全入時代ともいわれています。考え方によっては、ずっと公立で進んでもこれまで以上に大学に入りやすい状態

通塾率の低下は、経済的理由が大きいと思います。トップ層の富裕層は、熱心な気持ちをそのままお金に換えられますが、ミドル層はそうはいきません。高校の学費も払えない家庭が増えてきているくらいです。塾通いの低年齢化や中学受験への肯定感の影響も、やはりトップ層に起きうる現象。

危機感がなければ勉強はしないともいわれています。塾に通わなくても、高校進学も大学進学も可能な時代に、塾に通わせても学力の向上は見込めません。親が「大学への夢」を持ちつつ高卒でがんばってきた場合、どこでもいいから大学に入れればいいのです。ならば現状で十分です。

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