命令形の「すること」

能登半島地震で、NHKのアナウンサーが「今すぐ避難すること!!」と連呼し、必死に避難を呼びかけていました。緊張感のある切迫した状況を伝えるものとしてネット上でも評価されていました。一方、不快に感じた人もいるようです。

「○○すること」という表現は、日常的に命令形として使うのかというと、一般的ではありません。上司から部下に使う表現でもないし、親から子に使う表現でもありません。

「○○すること」という表現について、少しネットで検索すると、やはり一般的ではなく、かなり特定された場所で使う表現です。

この表現が使われる場所は...

そう学校です。

教師が児童や生徒に対して「明日までに宿題をやってくること!!」「友達とけんかしないこと!!」などと強い命令に使う独特の表現です。かなり上から目線。対象は子供です。そして、ヒステリックな印象を伴います。

なので、視聴者は、「今すぐ避難すること!!」と連呼するのを聞くと、児童生徒だったときに耳にしていた強い口調が潜在的にリンクして、人によっては不快感がつのるのではないでしょうか。それで、ネガティブな気分になったのかもしれません。

アナウンサーは避難することを呼びかけるために、意図的に使った表現なのか、自身の児童生徒のころの潜在的に耳にした強い命令表現として、ついつい出てしまったのかはわかりません。適切な日本語ではないのでしょうが、SNSでトレンドキーワードになったくらいなので、少なくともあの状況では適切だったと思います。

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