集まったメンバーで、こんな重要なものがガラッと変わってしまおうとしている。問題点は50年前から教育現場ではわかっていたことなのに......。
次期学習指導要領の評価 研究会が知識・技能に絞る提案
https://www.kyobun.co.jp/article/2025082803
文科省が次期学習指導要領の評価で「主体的に学習に取り組む態度」の目標準拠評価をやめる方針には一定の評価をしつつも、「思考・判断・表現」も客観的な評価はできないとし、さらに踏み込んだ見直しが必要だとした。
観点別評価は、昭和55年(1980年)の学習指導要録改訂で導入されました。
勉強ができなくても「関心・意欲・態度」を評価して、評定に加えていこうという趣旨でした。4つの観点の最初に位置づけられ、重点的に評価していこうという雰囲気でした。
1. 関心・意欲・態度
2. 思考・表現
3. 技能
4. 知識・理解
最初は、定期テストなどのわかりやすい評価項目を集計して、評定を計算したあと、1と2の観点別にABCをつけていました。コンピュータが導入される前なので、複雑な計算はできません。
そのうち、観点別に計算したあと、評定を算出する方向になっていきました。このときすでに「関心・意欲・態度」は数値化するのは難しいと、4つの観点の割合を変えて、1と2は割合を下げて計算するようにしているのが現状でした。
その後、平成30年(2018年)の学習指導要領改訂により、観点は3つに整理されました。「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」になりましたが、この3つは、同じ割合で扱うように求められていました。つまり、4つの観点のときより、自由度が低くなります。
「知識・技能」「思考・判断・表現」は主にテストで、「主体的に学習に取り組む態度」はテスト以外という制約もありました。テストの点数を重要視したいとしても、100点のテストに対して、「主体的に学習に取り組む態度」が10点分数字を用意した場合、その10点を20倍にした数字を評定計算に使うわけです。明らかにおかしい。
「主体的に学習に取り組む態度」は、授業の振り返りやレポートで評価されます。つまり、言語化が得意な子どもが良い点数となります。
「テストは良いのにどうして?」という疑問には「観点が3つあって...」と説明するわけですが、わかってもらえない保護者がいるのです。当然ですよね。教師もわかっていないので。
評定計算を複雑化し、意図していないはずの評定を確定評定としている今の状態はさっさと廃止すべき。定期テストは何点、小テストは何点、レポートは何点と単純に集計したほうがすっきりします。
評価項目がこれだけあって、全部合計すると何点になるから到達度はこうですとなれば、単純明快で、しかも評定している先生にとってもわかりやすい。
観点別に数値化ができるものを作り出し、観点別に得点を集計し、観点別の到達度を合計。最初のテストの点数が評定にどのような割合で関与しているかを把握している先生はいないのではないかと思います。コンピュータが計算してくれますから。
間違いなく入力しているかのチェックはしますが、計算過程の計算式が適切かはチェックしません。評定の計算が複雑なので理解できないのです。ブラックボックス化の諸悪の根源が、この観点別評価なのです。
次期学習指導要領は、2030年度となるようなので、「失われた50年度」となるわけです。ずっと学力とは違う観点の数字がノイズとして入り込み、みんなでモヤモヤしながら成績を付けて、子どもや保護者はもらった成績にモヤモヤするわけです。そして、日本の学力が低下しているとなげく。半分以上を学力とは関係ないところから評価しているので、そりゃ当たり前なのかもしれません。
しわ寄せは常に教育現場に。