2024年2月アーカイブ

増える別室登校

何らかの理由で、普通教室に入れずに別室に登校することを「別室登校」といいます。原因はさまざまです。

保護者は子どもが学校に行けば安心します。家にいて学校に行っていないと不安なのでしょう。世間体かもしれないし、学校に行っていないこと自体が心配なのかもしれないし。将来どうするの? 進学はどうするの?

すると、保護者は学校に対して、「教室には入れないけど、どこか別の教室に登校して勉強できる場所を用意してほしい」と要求します。学習する権利があると...。別室は、登校しているので、不登校にはカウントされないというのも理由の一つでしょう。

最初のころは、学級担任が対応していました。保健室登校というのもありました。1人や2人ならいいのですが、人数が増えると保健室は通常業務ができなくなり、別室専用の教室が用意されます。そしてシステム化されます。最初は先生方を輪番にして、代わる代わる別室にいるようになりました。授業数が多いと問題になっている中で、さらに時間を割かれるわけです。

そのうちスクールカウンセラーが導入されますが、別室登校の人数は増えるばかり。そんな場所があるなら利用したい、となっていくわけです。別室利用は、別室利用がある生徒がいる学級から増えていきます。

勉強しなくても読書をしているだけで登校したことになり、保護者も安心します。勉強したいけど教室には入れない子どもも、勉強も学校も嫌いだけど学校に行けと言われる子どもも同じ部屋へ。

人数は増え、40人以上になります。教室のキャパシティを超えます。すると「別室は人が多くて落ち着けないので、別の別室を用意してほしい」という要求が出てきます。

実際に卒業式は、通常の卒業式のほかに、別室や不登校用に第2部の卒業式があります。第2部の卒業式もなかなか人数が多いので、さらに別の卒業式を用意してほしいと要望され、第3部、第4部、第5部と卒業式の日の午後は、何度も卒業式が繰り返されます。

学校に行くこと自体が目的になっているようで、フリースクールが出席日数にカウントされるようになりましたが、利用率は3%程度という数字もあります。学校からは紹介しづらいです。「学校はうちの子を見捨てるのですか?」となるからです。

勉強するなら家庭教師や通信教材もあるはずです。しかし、「学校に行けばタダなのに追加出費はおかしい。学校で勉強を教えてほしい」となるわけです。

基本は「学校が原因でこうなったのだから、学校でどうにかしてほしい」という考えです。

子どものことを考えている保護者は、フリースクールなど支援機関を自分で調べていろいろ見学して足を動かします。学校に行くこと自体が目的の場合、外部機関に興味を示しません。

高校進学率は97%を超えていて、普通に登校していれば高校に行ける、そして、お金を払えばどこかの大学に入れる。大学を出ればどこかに就職できるという妄想。自分の子どもには普通の人生を送ってほしいと思う気持ち。個性といいながら普通を追い求める矛盾と不思議さ。根底は変わりそうにもないので、別室の状況はきっと変わらないのでしょう。

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